=ネタバレ登場人物紹介=
8章までのネタバレを含みますので、ご注意を。
とりあえず、物語中に出てきた殆どの人を紹介しています。
ネタバレなしの登場人物紹介はこちらから
□■ラヴィン家ゆかりの人々■□
デュシアン・ラヴィン女公爵(19)
泣き虫で臆病な、ぼんやりとした主人公。魔力が人よりやや多い他は目立った特技もなく、
至って普通の娘。樹木の精霊が傍にくっついているらしい。男装はしているが、中身は全く凛々しくない。
周囲の影響を受けながら、成長……しているかは謎。
レセン・ラヴィン公爵弟(15)
デュシアンの異母弟。姉に密かな想いを抱いているが、それが許されないものであり報われないものと理解しているので、
振り払おうと頑張っている。王子セレドとは幼馴染みで親友。頼られたい年頃。
ラシェ・シーダス(27)
デュシアンの従兄。古代文字の言語学者で肉体派の魔法使い。(恐らくいとこ限定で)少し意地の悪い性格だが、
本気で困っていれば助けてくれなくもない。父母はエルムドア駐在大使で、自身も長い事エルムドアに居た。
恋情は抑え込んでいる。怒るとデュシアンの米神をぐりぐりする。
アデル・ラヴィン前公爵(故人)
デュシアンとレセンの実父。その功績から≪聖人≫≪地方領民の救世主≫と称されていた。実際は……。
セオリア・ラヴィン(30代半ば)
デュシアンの継母でレセンの実母。普段はふんわりとして朗らか。芯の強い女性。
デュシアンの結婚相手をアデルに代わり自分がしっかり見極めなければいけないと思い込んでいる。
イリヤ(26)
ラヴィン家の若執事で、ヴァシリーがいない間の警備担当でもある。
ラシェとは意見の相違があるようで、最近仲違いしている様子。
サイモン・ダランベール伯爵(40代前半)
ラヴィン家の分家でアデルの従兄。セオリアを愛してしまったことが、彼の人生を狂わせたのかもしれない。
ヘスター・ダランベール(20)
サイモンの息子。デュシアンが嫌いだったが和解したのかもしれない。
グレッグ
料理人。無口でやや偏屈だが、デュシアンとは仲が良く馬が合う様子。
□■アイゼン家ゆかりの人々■□
ウェイリード・アイゼン公子(22)
アイゼン家の嫡子。寡黙で律儀。厳しい見目に反して長男気質で面倒見が良い。アデルへの恩から何かとデュシアンを助けている。
デュシアンに対してはやや支配的で気難しいところを見せることもある。カイザーに似ていると言われると不機嫌になる。
カイザー・アイゼン公子(22)
ウェイリードの双子の弟。藍色の目と若干外ハネした髪型が外見上の兄との違い。
陽気で快活で笑顔の絶えない青年。家族想いで、双子であることを好ましく思っている。
ララド仕込みの兄には武術で負けるが、純粋な魔法勝負なら勝つことが多い。魔法陣の研究者。
ベアトリーチェ・ブランシール(20)
ウェイリードたちの従妹。愛称はビビ。自己中心的で我侭、自信過剰で行動力のある厄介なお嬢様。
ラシェが大嫌い。双子は大好きで、彼らを本当の兄のように慕う。実の家族との関係は微妙で、特にキアを憎んでいる。
カイザー監視目的で魔法陣の研究者見習い。
ライノール・アイゼン公爵(50代前半)
裁判官。ただそこにいるだけなのに威圧的な雰囲気をかもし出してしまうことを、実は気にしていたりする。が、全く他人には伝わらない。
亭主関白そうに見えるが、愛妻家で良き父親。本当は娘も欲しかったらしい。
ファウ
火の聖獣の幼生体。カイザーと契約を交わしている。本来の姿は精神体であるので、人間の目には見えない。
実体化している時はカイザーが常に微量の魔力を与えている。見た目や行動は犬と代わり無いが体は犬よりは大きい。
耳が垂れており、銀色の長い毛はふさふさ、しっぽもふさふさ。
エルメローシュ・クロスライン女子爵(二十歳前後)
カイザーの恋人。正式には子爵とは名乗れない複雑な事情がある。愛称はエル。おそらく巨乳。
ヨアヒム・ブランシール(32)
ビビの兄。アイゼン家分家であるブランシール家の三男だが、騎士ではなくリッツバーグ商会レムテスト支部代表補佐役を務める商人。
実家とは十五歳の時から縁を切っている。クラメンス王国に入港を許されている唯一のカーリア人。
片足の自由がやや利かない。
キア・ブランシール(27)
ビビの兄。四男。天才。公爵領を心から大切に思っている。十一年前の出来事により公爵領から出られなくなり、
実妹ビビからは憎まれ、父や兄からはその動向を監視されている。
ディータ・ブランシール(25)
ビビの兄。五男。美形で気障、極度のシスコン。ビビを追い掛け回している。主筋の双子が実は嫌いだったりするが、
人前では臣下の礼をとる。
※ブランシール家男子
ブランシール家はアイゼン家の分家。男子は全部で六人。長男は公爵領騎士で妻子あり。次男は首都の神殿騎士団首脳部。
三男ヨアヒムはレムテストを拠点とする商人。四男キアは引き篭もり天才。五男ディータは変態チックなシスコン。
六男のことは今の所物語に記述なし。ヨアヒム以外は皆、神殿の軍事関係者となっている。
(アイゼン騎士団は≪神殿騎士団≫の一部に分類される)
□■円卓騎士団関係者(年齢順)■□
ダリル・フォスター将軍(30代半ば)
甘いマスクの団長。穏和で面倒見が良く、若者には厳しくも寛容。アイゼン公爵領の生まれで、
ライノールとは主従ながらも師弟のような関係。双子の剣の師でもある。未婚だけれども三人の養女がいる。
法皇候補などについてデュシアンに助言をくれるが、その意図は……?
ケヴィン・マクスウェル(30代半ば)
ダリルの副官で親友、公私共に彼を支える明朗で豪快な男。髭面の不精者。背丈は騎士一。
サレイン・ヴァルテール(30代前後)
首席分析官。冷徹。実は元正規騎士。右手がやや不自由。ホルクス家とは遠縁で、
アスティーヌの家庭教師だった時期もある。
ジェノライト・アリスタ(28)
筆頭騎士。セレド王子の側近で、国一の騎士と誉高い。伯爵家嫡子。セレドの理解者ではあるが、根っからの貴族で騎士で頭が堅い。
女性関係は激しい様子。
セイニー・パーシル(20代後半)
礼儀作法の教官でダリルの秘書的な役目も請け負う女性騎士。ユーリの姉。立居振る舞いがカッコイイらしい。
ティアレル・アリスタ(23)
軍事分析官と情報分析官を兼任。病弱だがとても賢い女性。おっとりとした雰囲気でありながらも計算高いので、
意外に友人と呼べる存在は少ない。リディスとデュシアンが友達で、イルーダには苦手意識を持ち、ロザリーとは向うから喧嘩吹っ掛けられ中。
グリフィス・クローファー(20代前半)
期待の若手騎士。エルムドア属国出身。優しく穏やかで爽やかな美青年。裏はない。
神殿からも元老院からも好印象を受けている、円卓騎士団の“歩く広告塔”。
アイゼン家双子とは友人だからこそ、ウェイの動向に気を配っている。
シーン(20代前半)
神殿側貴族の三子。型破りで乱暴な言動が多いが、実力は若手でもトップクラス。弓と棒術が得意だが、
椅子に座った仕事とサレインが鬼門。アイゼン家双子は友人で、恩人。
イルーダ(20歳前後)
魔法都市国家ララド出身の、美貌の女騎士。カーリアに来てからずっと王子に言い寄られていた。
表情の変化に乏しくほとんど笑わない。ウェイリードの姉弟子で親交がある。
ユーリ・パーシル(17)
従騎士(騎士見習い)でセイニーの弟。成人していないが、実力は相当。ただし、礼儀作法に少し難有り。
屈託が無く明るい少年だが、貴族嫌い。よくティアレルの傍にいるが……?
□■王族とその周りの人々■□
セレド=アレクシス・パルヴィス王子(18)
王子。中性的な顔立ち。レセンの幼い頃からの親友。イルーダへの想いを封印し、クラメンスの王女を娶る計画を密かに推し進めている。
頭の回転が早く、ものを考えていないような素振りを見せて隙をつくことも。
自分が父王と同じように病に倒れるのではないかと危惧して行動している。
オーランド七世(40)
国王。十年程前から病に伏せており、かなり気弱になっている。アデルとは親友で、
ラトアンゼのことも熟知している。デュシアンを通して過去を見ている。周囲から身を案じられるあまり、世界から隔絶されてしまい、
生きる希望を見出せていない。
ミリーネ=エレオノラ・パルヴィス王女(15)
王女。賢く健気な少女。レセンとは友達。お付きの騎士ブライトに恋心を抱く。
ブライト・レニス(25)
ミリーネ付きの元老院の騎士。宮殿側の大貴族レニス公爵家の養子で跡取り。その出生は?
サリア・クーベル(18)
王室警邏隊に属する女騎士。ララド出身。イルーダとは同郷で共にカーリアにやってきた。
レセンを立派な〝剣士〟にすべく鍛えている。とても強く、レセンは全く刃がたたない。
イルーダと師を同じくするのでウェイリードとも同門だが、ララドで面識はなかった。
ヒュー・イングラム(20代後半?)
サリアの上司となる元老院の騎士。セレドの側近は本来なら彼だが、元老院を忌み嫌うセレドによって邪険に扱われている。
ジェノライトと並び称される騎士。ただし本編では名前のみで未登場。
□■協議会出席者■□
コーエン男爵(40代前半)
防衛協議会の議長。ちょっと気弱だけれど、がんばってます。実は天文学者。
アウグスト・ビアシーニ枢機卿(30代前半)
侯爵でもある。法皇の右腕にして、純信者たちのカリスマ。しかしラウラ・ルチア派かとデュシアンは疑っている。見目の良い優男。
ダグラス将軍(60代)
魔法宮一の魔法使い。リディスの師匠で理解者。戦いに魔法を使用することが嫌いな平和主義の賢人だけれども、実は物凄く強い。
ホルクス伯爵(40代後半)
自分の思い通りにいかないと気が済まない我侭伯爵。取り巻きが多い。妾腹なのに公爵となったデュシアンが目障りなのか、
意地の悪い言動をする。娘アスティーヌはエルムドア皇帝弟の妃。意外に家族思い。
ブラウアー子爵(30代後半)
北の守りの研究における首席研究者だった。しかし精神魔法に冒され、失墜。首都を追放され、
領地にて謹慎処分となる。
カラナス侯爵(40代後半)
セレドの教育係。宮殿側の貴族ではトップクラスの権力を持ち、元老院にも顔が利く。貴族至上主義者。
アイゼン家とは仲が良い。娘リアーヌは五年前までウェイリードの許嫁だった。
ベルガー伯爵(30代前半)
セオリアに懸想している青年伯爵。デュシアンを一方的に嫌っている。情熱家で詩人。
想いを込めた手紙を定期的にラヴィン家へ送って来るが、検閲によりイリヤとラシェによって火にくべられている。
正規騎士団参謀(30代前半)
保守的ではないがフェミニスト。ややせっかちで、色々とせっつく。実は正規騎士団の長も出席者だけれど、
殆ど口を挟まないで彼に任せている。
□■神殿関係者■□
現法皇・グリゼルダ四世
妙齢の女性。妹がいるらしい。法皇は仮面で素顔を隠している。『グリゼルダ』は法皇としての名前。彼女の憂いの理由は……?
ラウラ・ルチア一世(五百年前の法皇)
『十一年目の提唱』のせいで、歴史から消された法皇。『聖アナスタシア』と同一人物。
法皇任期後は行方知れずとされている。
※ラウラ・ルチア派
アリューシャラを主神として仰ぐ一派。カーラは世界の創造主にすぎず、
人にとって一番有益であり敬うべき神はアリューシャラだと考えたラウラ・ルチアの『十一年目の提唱』の思想が元となっている。
カーリア国内では異端視されているが、他国ではわりと容認されている。
聖アナスタシア
五百年前にベイヘルンの森を焼いた業火の消火に命懸けであたった女性で、生きている時に聖人と認定された。
その功績を認められて法皇に就任し、ラウラ・ルチア一世と名乗るが、ラウラ・ルチアと聖アナスタシアは別人物として考えられている。
マウリシオ・マウロ大司教(60代)
元老院の議員。人権擁護派。禁呪に冒されて生まれたリディスの命を救った人物。神学校で聖典解釈を教える。人の良さそうなお爺さん。
シメオン・レハール高司祭(60代前半)
元老院の議員で伯爵。人権擁護派。マウロ大司教と同じくリディスの命を救った。
夫人がデュシアンをお茶会にしつこく招いている。息子が三人いる。
ドーミエ司教(40代)
伯爵。保守・強行派。教義第一主義者。禁呪をまとうリディスの存在を許していない。
神学校に通わなかったデュシアンの事もあまり好んではいない様子。
ジョエル・ファロン高司祭(ご高齢)
医師。二十年以上前にラトアンゼの師であったらしい。アデルや国王から酷く憎まれている。
□■未分類■□
ラトアンゼ・エイムズ(故人)
デュシアンの実母。十年近く前の凄惨な出来事で亡くなっている。医師として誇り高く生きた女性。
アシュリー(23)
デュシアンの幼馴染みで兄妹のように仲良しだった、優しく面倒見のよい青年。
現在はラレンシア領主館にて、神殿騎士として仕えている。アデルと親交があった。
リディス・フォスター(19)
ダリル将軍の養女。つんつんしている美女。甘いものに目がない。アミュレット作りの名人だが、
禁呪の魔女として神殿から忌み嫌われている。真っ直ぐ好意を向けてくるデュシアンやグリフィスが相手だとペースを崩されてしまうので、
いつも怒ってしまう。
ロザリー・フォスター(19)
ダリル将軍の養女でリディスの義妹。神殿の巫女を務める。デュシアンとは顔見知りで、友好的。
曲がったことが嫌いな真面目な性格で、デュシアンのことについてティアレルに喧嘩を売ってしまったらしい。
(そこにはロザリーの嫉妬も関係している。ロザリーは養父の元で働きたかったが様々な理由で許されなかった)
アスティーヌ妃(19)
ホルクス伯爵の三女。現在エルムドア帝国皇帝弟の妃となっている、デュシアンの首都での初めての友人。サレインの教え子。
デュシアンの金髪の虜。
リアーヌ・カラナス公女(20)
カラナス侯爵の娘。ウェイリードとは幼馴染みで元許嫁。聡明で慎み深い。
マザー・クロシア(50代後半?)
モーリス村で孤児院を経営していた女性。神殿が嫌い?
エレナ(20代前半)
デュシアンから金印と文書を盗んだ元巫女。出頭後、マザーへ預けられる。
マニ・ハバート(29)
イスラフル人。ハバート商会の首都兼レムテスト支部代表。イスラフルの伝統的な衣裳を常に身に纏う。
色っぽいが、快活な人物。
アシル・アクバ(30代後半)
イスラフル人。ハバート商会の首都代表代理。貧弱な体だが、祖国への思いは強い。
□■クラメンス王国の人々■□
ライナー王子(15)
クラメンス国王子。かなりの問題児だが、いろいろ鬱憤がたまっている様子。
レプシウス将軍(20代半ば?)
ロミルダ・レプシウス女将軍。レプシウス家に養女になったが元は王女、ライナーの姉。
某カーリア商人との関係は?
ラルフ・コンラッド准将(30代半ば)
クラメンスの港の警備を統括する軍人。愛想がないが、キレ者。ライナーへの不敬罪により、
国境近くの村へと飛ばされた。
□■人外の方々■□
主神カーラ
最高位の女神。世界の礎を築いた創世主だけれど、人間を……?
女神アリューシャラ
カーラの妹神。樹木の神様でもある。悪神を結界に閉じ込め、移動魔法陣と結界を維持する術を人間に授けた。
悪神フェイム=カース
カーラの夫。禁呪を作り出した張本人。北の守りに封じられているはずだが、
精神体(?)は北の守りの中をウロウロしている。その理由、目的は不明。
シェーラ
デュシアンの傍にいる樹木の精霊。姿は低位精霊たちとは違うが、高位精霊のような特別なちからはない。
『自分以前の自分』の記憶を求めている。その鍵を握るのは……?
アイシャ=ローデ
ロアの森にある湖に住む妖精。湖の底に住まう怠惰な水の高位精霊に想いを寄せられ、
永遠に湖面で踊り続ける運命に縛られている。
ヴェルク=ヴェルド
ウェイリードが契約した闇の高位精霊。フェイム=カースに近しい存在。
双子の魔人
アイゼン公爵領にあるクノッサス峡谷に住まう高位精霊たちの別称。豊穣のちからを持つ青い皮膚の巨人。
山鳥の羽でできた扇を持つ風の高位精霊と、太い木の幹のような棒を持つ大地の高位精霊。
バル=ロア
水を司る神。カーラと悪神が争いを始めた際、アリューシャラに頼まれて蛇竜へと転身し、
北の地に居た人間たちを現在のカーリアまで運んだ。その影響で肉体と精神が分離してしまったと言われる。
ララド
知識の神。元々は人間であり、知識を求め世界中を歩きまわった。その探究心と知識、知恵、魔力を認められ、
神の一員となる。花の精霊フロルとの逸話が有名。後に、彼の名を冠した都市国家が生まれた。
=おまけ=
気が向いた時に消したりするかもしれません。
(1)国と地形
カーリア王国
首都は国名と同じカーリア。
西カーリア大陸と東カーリア大陸を跨いで領地を持つ大国で、本編の舞台となる場所。
ちなみに東カーリアはさらに北と南に海峡によって分断されている。
首都はアリアバラス海峡に面した西カーリアにあり、北をバルバロッサ湿地帯、南をウォーラズール山脈、
東をベイヘルン永遠平原(海峡を渡った東カーリア大陸にある)に守られ、
エルムドアとの国境(つまり西)はアイゼン公爵領所属神殿騎士団によって固く封鎖されているので、
事実上攻め落とされづらい環境にある。
西カーリアのウォーラズール以南は農作物に恵まれない土地だが鉱石採掘と商業が盛んな街が多い。
アリアバラス海峡を隔てた東カーリアは、南にいく程穏やかな気候に恵まれ、農村地帯が広がっている。
アイゼン公爵領は縦長の領地で、首都から近い。そもそも西カーリア大陸にある王国領土自体が縦長。
エルムドア帝国
帝都はノイエンドルフ。
西カーリア大陸の西部から中央部にかけての広大な領地を持つ帝国。属国がいくつか存在する。
十年ほど前のクーデター以後治安は回復しているが、皇帝派と皇帝弟派とでの派閥争いもある。属国の独立問題もある。
カーリアに行くにはウォーラズール山脈以南から国境越えするのが基本。
以北の土地はアイゼン家の厳しい監視下におかれており、まだまだ不安定な情勢の帝国からの入国は目下のところ要人しか許されていない。
都市国家ララド
カーリア王国より北、永久凍土にある都市国家。カーリアとの国境はバルバロッサ湿地帯(湿地帯はカーリア領)。
湿地帯は生きて通り抜けることが出来ない構造になっているので、ララドとカーリアは直接行き来する事はできず、
エルムドアから遠回りする必要がある。
基本的に、魔法を研究する為だけに創られた都市なので、それ以外のことは重視されず、他人に無関心な市民が多い。
市民の殆どが知識の神ララドを信仰しているので、魔力を持ち合わせない者は家畜のような扱いをされることもある。
人身売買の温床で多くの奴隷がいる。
クラメンス王国
東カーリア大陸の東側沿岸中央部にある小国。百年前からカーリアを敵視しており国交断絶中。
首都は魔力の篭もった宝石から創り出される深い霧に覆われている。
イスラフル
東カーリア大陸より南にある亜熱帯の小大陸。大陸北部は森林地帯、南部は砂漠地帯となっている。
貿易船に乗って他大陸へと飛び出すのは専ら南イスラフルの人々。十年ほど前まで同民族で血の粛清を繰り返していた。
基本的にイスラフル人は無信仰。
森を潰し、船を進め、水と空気を汚すこの大陸は精霊に嫌悪された為にイスラフル人は古い昔から魔法を使用できなくなっているが、
それに代わる技術を産み出している。しかし魔法を使用できないことでカーリア大陸の人間からは蔑視されることもある。
北の城
つまりは北の守りのある悪神の根城。カーリア大陸よりずっと北の孤島にある。孤島の周辺は渦潮が囲み、
それを運良くかわせても上陸が困難な絶壁で四方を覆われている。また、例え絶壁を登れても北の城はぱっくりと空いた奈落に包囲され、
人間の足で辿りつく事は不可能とされている。
植物の類は全て死滅した荒涼とした土地。
アリアバラス海峡
カーリア大陸を西と東に大きく分断する海峡。とても狭くて暗礁に乗り上げやすい。この海峡に住む精霊は気性が荒いと言われており、
精霊の意思を大切にするカーラ神教の教えに則って、北から南へ船を動かすことを禁止している。
もともと一つの大陸だったのを、カーラが悪神を槍で貫いた弾みで二つに割れて海峡ができたとも言い伝えられている。
ウォーラズール山脈
首都より南、西カーリアを南北に分けるようにして東西に伸びる山脈で、手つかずの鉱脈の宝庫。麓にはマルカレイス観測所がある。
魔物と火竜が住んでおり、人が通るのは推奨されていない。
いつもは眠りについている火竜も魔物が増えればそれらを喰らってまた眠るという絶妙なサイクルで生態系を保っている。
ひとたび牙を剥いた火竜は人間の手に負えるものでないと言われている。
ベイヘルン永遠平原
東カーリアの西部から中央部にかけて広がる〝幻覚の森〟。
五百年前までは森だったが、大火にて消失してしまった。その時に森と運命を共にした妖精や精霊たちの思念(怨念)が、
本来ならば平原であるその場所に森の幻覚を創り出している。
森では方向感覚は完全に失われ、悪戯好きの妖精たちに惑わされるが、時間はかかっても必ず目的の場所へ出られる。
とても安全な道でもある。
常に妖精や精霊や怨念が監視している為に、ベイヘルンでは雰囲気を乱す犯罪行為や生殖行為は不可能。
また、軍人の団体を嫌う傾向にある。
クノッサス峡谷
アイゼン公爵領とエルムドア帝国の国境付近にある峡谷。豊穣のちからを持つ高位精霊たちが住んでいる。
(2)髪と瞳の色と本編でのその形容の覚書き。
デュシアン 肩より短い金の巻き髪/緑の瞳(アッシュグリーンとかオリーブグリーン)
レセン 金茶色の髪/青い瞳。青玉石
アデル 金髪/緑の瞳。翡翠
セオリア 金茶色の髪は常に髪型が違う/青い瞳。青玉石
ラシェ 少し長めの鳶色髪/赤茶の瞳・眼鏡
ウェイリード 普段は前髪を下した黒髪/灰色の瞳
カイザー やや外に跳ねた黒髪/藍色の瞳
ビビ ストレートの黒髪をポニーテール/藍色の瞳
セレド 肩ぐらいまでの柔らかい金髪/瑠璃色の瞳
ダリル 茶髪/群青色の瞳
グリフィス 長めの金髪を後ろで一つに結んでいる/アイスブルーの瞳
ティアレル 栗色の髪をゆるふわおさげ/はしばみ色の瞳
リディス プラチナブロンドの巻き髪/新緑色の瞳/巨乳
サリア 深紅の巻き髪/緑の瞳。翠玉
ユーリ 濃い茶髪/鮮やかな緑の瞳。孔雀石色
イルーダ 肩甲骨少し下までの真っ直ぐの黒髪/黒い瞳。射干玉
マニ 肩口までの真っ直ぐ黒髪/黒い瞳/褐色の肌
シーン つんつんに立てた茶髪/一重の黒い瞳
ライナー 濃茶髪/黒い瞳
※基本的に兄弟姉妹は同じ色合いのことが多い。
(3)そのほか
人種
四系統。カーリア国民の殆どがカーリア系に分類されるが、混じり合って、あまりはっきりしない。
カーリア系 金か茶系の髪/薄い色の瞳
エルムドア系 黒か濃茶の髪/暗い色の瞳
古ララド系 赤い髪/緑の瞳/色白(※この人種は先祖がえりで出てくるのみ)
イスラフル系 黒髪/黒い瞳/やや褐色の肌
エルムドア系男子は身長が高くて体格も良い戦士タイプ。
カーリア系男子は優美な印象を与える貴族タイプ。
人種が入りじまった昨今、金髪に青か緑の目を持つ儚い容姿の女性を「純カーリア系」と称すことがある。
純カーリア系の女性はエルムドア系男子から見ると妖精みたいな感じらしい。
ただし、男性に「純カーリア系」と称するのは喧嘩を売ることになるので口にしてはいけない。
身長(数名の比較。物語開始時)
ジェノ>ウェイ=カイザー>ラシェ>セイニー>セレド≧イルーダ>レセン>デュシアン
基準となるセイニー(女騎士)は174cmぐらい。
成長期の男子は物語中に伸びている。デュシアンはカーリア系女性としてごく標準の身長。
セレド王子は若干身長が低いが、伸び途中。
目次